戦後80年、心揺さぶる「cocoon」アニメ化!今日マチ子の戦争と少女
戦後80年の節目に「cocoon」がアニメ化!
日本の終戦から80年を迎える2025年。太平洋戦争末期の沖縄を舞台に、ひめゆり学徒隊に着想を得て描かれた漫画「cocoon(コクーン)」が、アニメ化され地上波で初放送されます。作者の今日マチ子さんに、作品に込めた思いやアニメ化への期待を伺いました。
「cocoon」は、2010年に秋田書店から出版され、文化庁メディア芸術祭の審査委員会推薦作品にも選出された作品です。これまで繰り返し舞台化されてきましたが、戦後80年の節目にアニメ化されることで、若い世代にも戦争の記憶を伝える役割を担うことが期待されます。
沖縄戦を少女の視点から描く
今日マチ子さんは、沖縄出身の編集者から提案を受け、戦争をテーマにした初めての作品として「cocoon」を描き始めました。当初は、センシティブなテーマであることから躊躇したものの、少女の視点から見た物語として描くことで、より多くの人に戦争の悲惨さを伝えられると考え、挑戦を決意しました。
物語は、女学校に通うサンがクラスメイトと共に学徒隊として戦地に赴く様子を描いています。戦況が悪化するにつれて、凄惨な世界と自己の少女性との狭間で、サンの心は揺れ動いていきます。作品は、ガマ(自然壕)の中で麻酔なしに足の切断手術をする場面や、学徒隊の解散命令が出て少女たちが手りゅう弾による自決に追い込まれる場面など、目を背けたくなるような現実も描いています。
- アニメ「cocoon~ある夏の少女たちより~」は、NHK総合で8月25日23時45分から放送予定。
- マユ役を満島ひかりさん、サン役を伊藤万理華さんが演じます。
- Webマンガサイト・チャンピオンクロスでは9月8日まで第7話まで無料公開中です。
今日マチ子さんは、「痛い」「怖い」こともきちんと描くことで、戦争の悲惨さをよりリアルに伝えたいと考えています。アニメ化によって、より多くの人に作品が届き、戦争について考えるきっかけになることを願っています。
戦後80年という節目に、改めて戦争の記憶を風化させないために、「cocoon」を通して、平和の尊さを感じてみてはいかがでしょうか。