「サインはV」中山麻理さん逝去…77歳、美しき女優の生涯を偲ぶ
昭和を彩った名女優、中山麻理さんが今月12日、都内の病院でご逝去されました。77歳でした。関係者によりますと、昨年暮れに体調を崩され入院、闘病生活を送られていましたが、3人のお子様に見守られながら静かに息を引き取られたとのことです。通夜・葬儀は近親者のみで執り行われました。
「サインはV」で一世を風靡
中山麻理さんは、TBS系ドラマ「サインはV」で一躍脚光を浴びました。1964年の東京オリンピックにおける女子バレーボールの金メダル獲得という時代背景の中、バレーボールブームを巻き起こしたこのドラマで、主人公のライバル役を見事に演じ、最高視聴率39.3%を記録するほどの社会現象となりました。
岡田可愛さん演じる主人公・朝丘ユミのライバル、椿麻里役として、クールな美貌とグラマラスな体型で多くのファンを魅了しました。スポ根ドラマの先駆けとして、実業団バレーボールチームの選手たちの青春を描いた同作品は、今もなお語り継がれる名作です。
映画「限りなく透明に近いブルー」ヒロイン
1979年には、村上龍監督の映画「限りなく透明に近いブルー」でヒロインを務め、主演デビュー作となった三田村邦彦さんと共演。翌年には結婚されました。結婚後は活動をセーブされましたが、その美しさは多くの人々の記憶に刻まれました。
気さくな人柄と、母としての顔
ドラマや映画でのイメージとは異なり、中山さんは非常に気さくで常識的な人柄だったと伝えられています。三田村邦彦さんとの離婚後、末っ子のお子様が成人するまでは、芸能一家に育ったからといって世間から浮いてはいけないと厳しく育て、挨拶や礼儀作法を徹底されたそうです。
母親卒業後は、ニューヨークへ一人旅に出かけ、若者たちと朝まで踊り明かすなど、アクティブな一面も持っていました。英語が全く話せないにも関わらず、大ファンであるラファエル・ナダル選手の応援のために、全米オープンテニスに一人で駆けつけたこともあるそうです。
女優として、母として、そして一人の女性として、力強く生き抜いた中山麻理さんのご冥福を心よりお祈り申し上げます。