クマ駆除で誤射!小国町を提訴、3000万円賠償請求の行方は?
山形県小国町で、クマ駆除中に起きた痛ましい事故を巡り、裁判が始まりました。2023年4月、クマ駆除作業中に別の隊員が発砲した銃弾が男性の右膝に命中し、重傷を負った男性(40代)が、小国町に対し約3000万円の損害賠償を求める訴訟を起こしました。
事故の経緯
訴状によると、男性は小国町から鳥獣被害対策実施隊として委嘱を受け、クマの駆除作業に参加していました。しかし、別の隊員が発砲したライフルの銃弾が、クマを追い込む役割を担っていた男性の右膝に当たり、骨折などの重傷を負いました。男性は現在も後遺症に苦しんでおり、日常生活に支障が出ているといいます。
裁判の争点
裁判では、国家賠償法の規定に基づき、公務中に発生した損害の賠償責任が小国町にあるかどうかが争点となります。原告側は、発砲した隊員が周囲の確認義務を怠った過失を主張し、男性が定年を迎えるまでの労働能力の70%を喪失したとして、3000万円あまりの賠償金を求めています。
町の主張
一方、被告である小国町は、請求の棄却を求め、争う姿勢を示しています。町側は、認否や反論については次回の期日までに行う予定としており、今後の裁判で詳細な主張が明らかになる見込みです。
今後の展開
次回の裁判は11月18日に開かれる予定です。裁判では、事故の状況や原因、男性の負った損害の程度などが詳しく審理されることになります。裁判所の判断が注目されます。
事件背景
事故後、発砲した隊員は狩猟免許を剥奪され、業務上過失傷害の疑いで書類送検されましたが、不起訴処分となっています。
町のコメント
小国町はNHKの取材に対し、「答弁書以上のことは答えられない」としています。