EU、対ロシア制裁で再び難航!スロバキアの抵抗で合意見送りか?

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欧州連合(EU)が、ウクライナ侵攻を続けるロシアに対する追加制裁案を巡り、再び足並みが乱れています。7月15日にブリュッセルで開催されたEU外相理事会において、スロバキアが制裁案の承認を拒否したため、合意に至りませんでした。

スロバキアの主張とは?

スロバキアは、EUが掲げるロシア産天然ガスの輸入禁止方針に強く反発しています。エネルギー依存度が高い同国は、この方針によって自国が損害を受けることへの懸念を表明。先月下旬のEU首脳会議でも、スロバキアの反対により追加制裁案の承認が見送られました。

今回の外相理事会でも、スロバキアはロシア産天然ガス供給の段階的廃止を目指すEUの計画によって自国が損害を受けないという保証を求めました。これに対し、EU執行機関の欧州委員会は、スロバキアの懸念に対応する意向を示し、ロシア制裁の合意を得ようと努めました。

EUの今後の見通し

EUのカラス外交安全保障上級代表(外相)は、制裁が承認されなかったことについて「非常に残念」と述べ、今後の決定はスロバキア次第であるとの認識を示しました。EUとしては、早期の合意を目指し、スロバキアとの協議を継続していく方針です。

一方、デンマークのラスムセン外相は、ロシア産原油の価格上限引き下げについても、EU加盟3か国が反対していることを明らかにしました。EUは、制裁の抜け穴を塞ぎ、ロシアへの圧力を強化したい考えですが、加盟国間の意見の隔たりが課題となっています。

専門家の見解

今回のスロバキアの抵抗は、EUの結束力に疑問を投げかけるものだとの指摘も出ています。エネルギー政策を巡る各国の利害対立が、対ロシア制裁の足かせとなる可能性も否定できません。今後のEUの動向が注目されます。

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