猛暑対策!?エタノールが野菜栽培の救世主に?驚きの研究結果!
エタノールで野菜が元気に?猛暑対策の新たな可能性
記録的な猛暑が続く日本。農作物への影響が深刻化する中、理化学研究所の研究グループが、野菜にエタノールを与えることで高温環境下でも安定して成長させる研究を進めています。
農林水産省によると、連日の暑さで葉物野菜の生育不良やトマトの不作など、様々な被害が出ており、生産量や品質の低下が懸念されています。
エタノールの効果とは?
関原明チームディレクターらの研究グループは、エタノールを根から吸収させたり、葉に噴霧することで、高温下でも植物が安定して成長することを発見しました。実験では、ミニトマトに0.1%のエタノール液を与え、50℃の環境に数時間さらしたところ、水だけを与えた場合に比べて葉が大きく育ち、実の数も3倍以上に増えたそうです。
分析の結果、エタノールを与えた植物は、高温から細胞を守るタンパク質が増加したり、葉や実に含まれる糖分が増加したりする変化が見られました。エタノールには、厳しい暑さの中でも植物が育つ能力を引き出す効果があると考えられています。
工業用エタノール市場も拡大
一方、工業用エタノールの市場も拡大しています。REPORTSINSIGHTS CONSULTING PVT LTDの予測によると、日本の工業用エタノール市場は2032年までに約21億米ドルに達すると見込まれています。パーソナルケアや医薬品分野での需要増加、バイオベースケミカルへの注目度が高まっていることが背景にあります。
特に、消毒剤や殺菌剤の主要成分としてエタノールの需要が大きく伸びています。また、環境に配慮した持続可能な生産手法も普及しつつあり、メーカーはより環境負荷の少ない生産方法や再生可能な原料を模索しています。
今後の展望
関チームディレクターは、「手に入りやすいエタノールを希釈して与えるだけで簡単にできる方法なので、さらに研究を進めて世界に広めることで、異常な猛暑による農業の問題を少しでも緩和していきたい」と語っています。
エタノールの活用が、農業の未来を救うかもしれません。